Ⅰ.学校と地域の概況
(1)学校の概況
本校は,大正13年船浮部落学校として設立され,その後幾多の変遷を経て,昭和32年船浮小中学校として独立し,今年で設立99年となる。設立以来,児童生徒数は少なく,近年は減少の一途をたどっている。
平成9年に中学校校舎及び体育館が完成,平成12年3月にはランチルームを新設,平成15年8月にパソコン室にクーラーが設置され、平成21年には管理棟の改築,令和2年度には,以前からあった土置き場の屋根が設置された。
本校は極小規模校であるため,学校行事などは,地域の積極的な協力で成り立っている。運動会では,準備から当日の運営まで,PTAをはじめ,地域の方々がPTA準会員として諸活動に積極的に参加・協力して頂いている。学習発表会においては,地域素材を活かした作品出展など,児童生徒の地域学習の面においてもご協力を頂いていており,あらゆる機会を通して地域の方々が学校を支えている。
また、令和2年度からは、更にICTの活用に取り組み,LTEタブレット端末を導入するなど,離島へき地・極小規模校というハンディキャップをICTの活用を通して克服できるように取り組みを強化している。
(2)地域の概況
船浮(ふなうき)集落は,西表島の最西端に位置する集落である。隣の白浜集落まで約4kmの距離であるが,その間の陸路が整備されておらず,船が他の集落までの唯一の交通手段となる。
集落の歴史は古く,古文書「宮古八重山両島絵図帳」(1647年)によると「ふなけ村」として登場しており,西表島の中でも歴史のある集落の一つである。
集落に面した船浮湾は天然の良港として,先の大戦では船浮要塞が建設され,戦後は国際避難港として指定されている。また,黒真珠の養殖場(琉球真珠株式会社)としても有名である。
山と海に囲まれ,自然が豊かである集落周辺には,国の特別天然記念物であるカンムリワシを見ることができ,イリオモテヤマネコが捕獲されたのも船浮である。その他,セマルハコガメ,キンバト,キシノウエトカゲなどの天然記念物を見ることができる。